退院させたくない
とっても久しぶりに晩酌したので,余計なこと書いちゃうかも。
退院したくない患者さんのお話。
そもそも入院があれば退院があります。
入院するってことは,外来治療ではムリということ。まず,この「ムリ」にはいつくか種類があることから。
【外来診療でムリ】
- 外来で抗菌薬処方するくらいじゃ命に関わりそうな重症肺炎
- 手術が必要な癌
- ひとり暮らしの高度脱水,食欲不振
本質的に,3は違うということをご理解できるでしょうか。
1, 2は医療的に入院が必要なんですが,3は社会的に入院が必要なんです。
もっと書けば,1, 2は治ったら退院してくれるんですが,3はそう行かないんです。ひとり暮らしの方が食べられなくなった場合には,入院して点滴しながら自然に食べられるのを待ちます。ところが,認知症とかご高齢になったりすると,どんなに待ってもさほど食べません。
じゃあ,「そこそこ」食べられるようになったら退院か。
――なかなか,うまくいきません。
「ひとり暮らし」と言っても家族はいます。別居しているだけです。
この家族が恐れているのは,同居することです。もともと厄介者だから別居しているわけで,いまの生活を乱されたくないのです。これくらいなら,まだ許せます。
もし,別居していた高齢の方が入院したことで,その方の年金が使えるようになったらどうでしょう。
別居家族を入院させとくだけで,一定の収入になるんです。自由に使える金が入るんです。
ここで重要なのは,最も安く済むのは病院であること。老健施設や老人ホームは病院よりもはるかに高いんです。生かさず殺さず病院に永遠にいてくれれば,月に何万もの収入が増えるんです。
こういう場合,家族は退院を承知しません。
あわよくば永遠に入院させときたいのです。
昔ならまだしも,「永遠に入院」はありえません。90日以上の入院は,病院が損するように仕組まれています。
かつて,こんなことを言われたことがあります。
「どんな形でも良いから,生かしておいてください」
その家族は,「病院に送り迎えするから」と言って安く新車(障害者マーク付き)を買いました。「バリアフリーにして同居するから」と言って家をリフォームしました。全て新しくしてから,「やっぱり介護は難しいので,一生病院においてください」。
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