新築一戸建てを検討している(建築中である)みなさまに向けて,引き渡しの際の注意点について書いてみます。
私が新居に引っ越したのは,2011年1月のことですが,自分の経験から思いつくことを列記します。
■ 住民票について
ハウスメーカーは,引き渡しの前に「新しい住所の住民票が必要です」と言ってきます。これは手続きの点から必要なので仕方ありません。もちろん発行手数料がかかります。
ここでのポイントは,お金ではなく市役所での対応です。
新居って,心がウキウキしてますから思わず話したくなります。しかし,市役所の窓口で職員に「もう引っ越しは終わったんですか?」と聞かれたら,黙って「はい」と答えましょう。
ハウスメーカーは,引き渡す前に新住所の住民票が必要と言います。その方が諸々の手続を進めるのに都合がよいからです。
しかし,市役所では「引っ越し前に新しい住所の住民票を発行することは法律違反である」というスタンスです。
それゆえ,引き渡しの前に新住所の住民票をもらうには,引っ越しが終わったと嘘をつくしかないということ。
私も不用意に現状を話してしまい,市役所の職員からくどくどと聞きたくもない説教じみた話を聞かされ続けてすっかり嫌な気持ちになってしまいました。
この理不尽さをハウスメーカーに伝えても,「そうですか。でも,住民票は必要なんですよね」とコメントしたのみ。
こういうのが未解決のままなんです。
■ 施主検査について
施主検査は,施主であるあなたが入居前に隅々をチェックすることです。
間取りとか会談のような大きな部分はもちろん,壁や床のキズまで丹念にチェックする必要があります。入居後にキズを発見しても,「引っ越しの時についたんじゃないですか?」とかわされる可能性があります。
引っ越し屋さんも,自分たちのせいにされたくないので,引っ越し時に見つけたキズは言ってくれます。まあ,「自分たちは悪くない」ってアピールですけど。
施主検査では,新居の新しさ,嬉しさに心が奪われがちになりますが,むしろ細かなキズをチェックしましょう。階段の手すりの下とか,壁紙のへこみとか。
■ 引き渡し式と入居日にずれがある場合
ハウスメーカーにもよりますが,引き渡し式でマスターキーを渡されます。そのマスターキーを通した瞬間に,業者が持っている鍵では開かなくなります。
私からのアドバイスは,引き渡しは入居日にできるだけ近いことです。
これは細かい話なのですが,引き渡しまではその建物はハウスメーカーが管理するものです。引き渡し後は施主の管理物となります。
建築中に火事や地震があれば,ハウスメーカーが自身の保険を使って直します。施主に追加料金は発生しません(入居は遅くなりますが)。
もし,引き渡し後に地震が起これば,施主が自身の保険を使って直すことになります。確率は低いのですが,こういうご時世ですので,引き渡しは入居日の前日,可能なら当日がベストでしょう。
■ 引き渡し後の追加工事は避けるべき
私の失敗談です。
実は,ひと部屋だけ未完成の状態で引き渡し式を終えたんです。ハウスメーカーは,「2日で終わりますから」と言ったので,そういうものかと思って了承しました。
しかし,入居してから工事が終わるまで1週間ちかくかかりました。
冬で換気できない中,家中がシンナー臭くなっており,埃も舞っていました。
工期が遅れた場合,メーカーから「入居後に仕上げをさせてください」みたいな話があるかもしれません。
早く入りたい気持ちをぐっとこらえて,「本当に完成した状態で引き渡し」とすべきです。ただ,引っ越し業者との兼ね合いもあります。すでに1か月くらい前から引っ越し業者は予約していると思いますし。
ここは,引っ越し日を後にずらした方が良いです。そこで発生する追加料金やほかの問題があれば,それはハウスメーカーと交渉すべきです。
営業の○○さんに,◇月△日に入居可能と聞いて引っ越し業者を予約したが,工期が遅れたため引っ越し不能となった。この場合の追加料金についてご検討いただきたい。
みたいな感じで。
営業担当と現場監督と現場の大工さんが連携していないのは,よく見かけることです。入居可能日については,何度も念を押す必要があるでしょう。
これから家を建てる方の参考になれば幸いです。
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